あの時、メインスタンドの目の前をふらふらと漂っている俺様@楠神順平に、山本佳司監督が発した「おい!孤立するな!」の指示にのけぞるほどびっくりし、「ああ?」とめんどくさそうな顔を向けた俺様に大爆笑…それがうっかり恋に落ちた瞬間だったわけです(笑)
ああ「俺様」と「楠神順平」の名前を並べて打つのも久しぶり…幸せ←馬鹿
とまあ話はいい感じに脱線&暴走しかけてますが、とにかく「野洲をサッカー専用で見たいんだ!できれば三ツ沢よりも目線の低い西が丘でーーーー!」と念じ続けて2年と9ヶ月、やっとやっと「かぶりつき」で野洲が見られるチャンスがやってきました(感涙)
なにしろこのスタジアムは客だけじゃなく、選手もかぶりつけるという素敵な構造。第一試合前には練習着を着込んだ野洲っ子たちがゴール裏スタンド下(ここにロッカールームとピッチに出るための通路が設置されています)からぴょこっと出した顔をずらずらと並べ、桐光と東京の選手たちをじろじろキラキラわくわく眺めていたくらい「かぶりつける」スタジアムなのです(爆)
※写真は前のレポを見てみてくださいませ。
東京にあるスタジアムで、選手権前に野洲のサッカーが見られる!
第一試合が東京対神奈川のチームだったことに加え、第二試合は東京でも人気のある市立船橋と「あの野洲」という幸運にあやかろうと(?)ふくれあがった観客は2000人!
共にテクニックに定評があるチームの対戦に、涼しくはないけれど初日・第二日目の炎天酷暑からは解放された西が丘、好ゲームへの期待がスタジアムをふんわり覆っています。
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高円宮杯第19回全日本ユースサッカー選手権大会
1次ラウンド 第3日 グループE 第二試合@西が丘
野洲高校 対 市立船橋
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1位 磐田ユース[1勝1分]
2位 ヴェルディユース[1勝1敗]※得失点差
3位 野洲[1勝1敗]
4位 市立船橋[1分1敗]
グループFと同じくこちらも混戦のグループE。4チームとも勝ち点3が欲しい状態です。

野洲高校**スタメン
1GK 横江 諒[3]
9MF 上田大輔[3] →83分30FW 福原拓己[3]
6MF 中川圭右[3] →88分2DF 松原賢志[3]
10FW 坂本一輝[3]
11FW 松永俊吾[3]
3DF 西口 諒[3]
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28DF 福本匠吾[3]
4DF 端山亮平[3]
7MF 藤野友貴[3]
21MF 卯田堅悟[2] →71分5MF 冨田 慧[3]
8MF 潮入啓太[3]
いや〜野洲といえば、この白ベースユニ♪でも寒い時期にしか野洲を見たことがなかったので、半袖っつーのが新鮮です(笑)
名を連ねるのは昨年度の選手権でもスタメン出場していた選手たち。東福岡に0-1で破れた2回戦では交代を含め11人が、キャプテンのDF青木亮都、MFの坊主頭・内久保亮という二人の3年生とともにピッチに立っています。
今年の3年生は「優勝したチームを見て」野洲に入学した生徒たち。
センセーショナルな優勝を果たしたことによる「プレッシャー」からは、ある意味解放された世代。のびのびと「魅せて」くれるかな…
ちなみに毎年気になる「身長」事情ですが、一番ののっぽさんは、キャプテンのにしぐー@西口諒181センチ。昨年度の選手権でナイスセーブを連発していたGKのよこりょう@横江くんは177センチ…
実は卒業してしまった昨年度の3年生を含めてもにしぐー@西口くんが一番でかかったので、まあ「いつものサイズ」っていうことでしょうか(笑)

市立船橋高校**スタメン
21DF 山田 充[2] →HT16MF 藤橋優樹[3]
5DF 青木將英[3]
11FW 野口翔太[3] →58分20FW 箕輪誠也[3]
3DF 大阪和也[3]
7MF 望月陽介[2] →HT6MF 中根 亮[3]
17GK 有富大起[2]
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8MF 馬渡和彰[2]
4DF 水野 輝[2]
9MF 笈川大樹[3]
12FW 鈴木宏樹[2]
10FW 中村充孝[3]
去年は高円宮準々決勝で浦和ユースに延長戦の末、敗北。そして高校選手権千葉県予選決勝では、反撃したい後半に強風であおられ流経大柏に破れてしまった市船。
そのどちらもパスワークを中心にポゼッションを高めて相手陣内へと攻め込む、見ていて楽しいサッカーでした。
今年はどんなチームになるのかなと思っていたら、いきなり関東プリンスから降格!というスタート。その後インターハイで流経大柏と「同時優勝」という結果を出しはしたものの「(雷雨のための中止で)決勝戦をやらなくてすんで、ちょっとほっとした」なんて選手のコメントを聞いてしまうと、そんな弱気でどうした!って感じです(泣)

対する野洲、今年の3月マリノスタウンで行われた「マリノスカップ」を見た限りでは、「セクシーさの追求」には余念なし!(笑)
さあ、円陣のステップが始まります…

やばいーーー。これが見られただけで、嬉しさが止まらないーー(爆)

円陣を組み直して、深く深く呼吸を合わせます。ああ、野洲が目の前にいるんだなあ…
新チームへの期待と、次々蘇ってくる「生で見た野洲の3チーム〜優勝チーム・一昨年・去年〜」のあんな試合、こんな笑顔、そして涙の記憶。野洲の時間の一番先端がここにあります。
いよいよキックオフ☆んん?なんかちょっと見慣れない光景が…右から福本くん・端山くん・にしぐー@西口くん、そしてMF登録の中川くんが最終ラインに並んでる…野洲が「4バック」ーー!(驚)
野洲と言えば3バック、それも両SHは攻撃にしか興味がないので守備は常に3人ぽっちな過酷なシステム(笑)今年もそのはずだったのですが、高円宮初戦に2-3と惜敗をし、負けられない2戦目のヴェルディとの試合に「らしくない勝ち方」をしたという野洲…その正体は「両サイドの守備の意識が高い、4バックというディフェンシブな布陣」でした。
そして始まった西が丘での野洲初お披露目試合。出だしから野洲はいい感じでボールが廻って、チャンスを作っています。はっきりとした特徴の見えない市船の上をするすると滑っていくプレー。
久しぶりに見る野洲の軽やかなボールさばきに、半ばボー然と見とれていた18分、カウンターをしかけた市船がFKをゲットしていました。いやほんと一瞬の隙です、ラン☆カンの。
10番・中村充孝の放った直接FK、にしぐーたちが作った壁が弾き返して、よっしゃ!と思う間もなくこぼれ球をダイレクトに蹴り込まれてしまいました…

先制ゴールはフリーキッカーだった10番・中村充孝。
やっぱり相手はインターハイ王者、このまま流れをかっさらわれてしまうんでしょうか。
ところが失点してちょっぴりうつむいていたように見えた野洲、焦るそぶりもみせず直後からまた楽しそうにドリブルを始めてしまうのです。
そして失点からたったの4分後、「野洲の7番」藤野友貴が仲間にグラウンダーでボールを当ててリターンをもらい右サイドから真ん中の方へドリブルを開始、パスをするっと出した…と思った次の瞬間には突っ込んできた8番・潮入啓太が右足を振り抜いていました!
ずどーーーん☆は、はやあぁぁぁいい…
22分、野洲、ドリブルとパスの速攻。1-1。同点。
8本のシュートを放つも1本しか決めきれなかった市船、そして6本のシュートで相手を振り回し1本沈めた野洲、そんな印象で前半はこのまま終了、選手たちは一旦引き上げます。

左奥が同点ゴールを決めた「前線の要」潮入くん。一番右は昨年度の選手権で、唯一の得点者だったゴールゲッターの坂本くん。
紫外線吸収率チーム一じゃないかと思われる坂本くんは、野洲の中で不思議な存在感の選手です。身長176センチ、ボールに一直線に飛び込んでくるようなフィジカル系。
安定感は抜きん出ているのに、突然フェイント満載のドリブルをしかけたりスルーをしてみたりという「不確定要素」をちらりと披露して、安心して見ている観客にゆさぶりをかけてきます。野洲っぽくないのにやっぱり野洲。
それにしても…黒い!

後半の円陣。みんなに語りかけるキャプテンにしぐー。
こうしてみても9ヶ月前の1月2日、柏の葉で見たあの時からみんな本当に顔つきが変わりました。
夏が明けたばっかりで日焼けしてるのもあるけど、ほっぺたとか目つきとか精悍になっちゃってます。
眼光鋭く始まった後半早々、なんと野洲はゴール!と思ったらオフサイドーー!というびっくりがっかりなスタート。でもそれは「野洲のセクシーダイナマイト劇場」開幕の合図だったのです。

後半6分、21番・卯田堅悟の『パスを受けた7番・藤野くんがドリブルを開始、真ん中へのクロスに10番・坂本くんが』右足ボレー!2-1。
後半15分、11番・松永俊吾の『パスを受けた7番・藤野くんがドリブルを開始、真ん中へのクロスに10番・坂本くんが』「ひよよよよ〜ん」と空中に舞い上がり頭で合わせてずどん!3-1。
後半18分、坂本くんからの『パスを受けた7番・藤野くんがドリブルを開始、真ん中へのクロスに10番・坂本くんが』右足ボレー!4-1。
と、ここまで『 』の中はコピペしているわけですが(笑)とにかく藤野くんのキレキレドリブルが止まりません。
しまいには藤野くんがドリブルを始めるたび、期待をこらえきれずスタンドからどよめきが洩れ、わざわざ狭い方へ突っ込んで行って一人かわし二人置き去りにし…という場面で、幾度となく笑いが起こります。この感覚はまさに優勝した時の、俺様@楠神順平への賞賛と同じ!なんつー幸せ…(うっとり)

後半22分、8番・潮入くんの中央グラウンダー縦パスを10番・坂本くんがど真ん中でシュート!相手GKが弾いたところをとらえた坂本くん、またしてもシュート!ゴール!5-1。
坂本くんハットトリック+1です。うひゃ〜…
坂本くん逆転弾の起点となった21番の2年生・卯田くんは、昨年度の選手権にも1年生ながら出場していた中盤の選手。去年「選手権滋賀県予選の決勝@皇子山」を見に行った時、「むぅみぃの日記」のむぅさんから「くるくる廻ってタメをつくることがあるので要チェック!」という情報を仕入れたため、それ以降ランラン☆カンカンの中の人たちに「くるくる」と勝手なあだ名をつけられていた卯田くんですが、この試合で本当に「ボールを持ったまま直径1メートルの円を描いてくるくるしている」ところを目撃!!感激(笑)

今年の野洲は迷いなくグラウンダーのパスを縦横無尽に通し、ドリブルで縦へと突っ込み、クロスがあがり、坂本くんが、潮入くんが合わせにきています。
浮き球パスが少ない様は北京五輪で金メダルを取ったアルゼンチン代表を彷彿とさせる感じ。フットサルみたいに相手が見送ってしまう細かなパスを、ピッチを縫い取るようにつないでくるんです。さらにスペースがあると見るや、最終ラインの選手までがドリブルでがんがん侵入。その連動性はあっけにとられるほど自然で、しかも破壊的です。
そして今年も「クリアしないクリア」健在。
優勝したチームの時から、野洲は「蹴り出すようなクリアボール禁止」で、ピンチを摘み取るためカットされたボールはタッチライン際ぎりぎりをころころと50メーター以上転がり続け、相手がラインを割るだろうと見送っているうちに野洲が拾って攻撃に転じる、という頭の中に「???」が飛び交うようなことを続けてるんです。いや〜あいかわらず、馬鹿です!(爆)素敵すぎ☆
そんなチームを最終ラインから支えるキャプテン・にしぐー@西口くんの左腕には、去年と同じデザインのキャプテンマークが。
にっちょ@金本竜市(05年度)、ゆーだい@田中雄大(06年度)、りょうと@青木亮都(07年度)とクセのあるセクシー野郎どもをまとめてきたキャプテンたちの系譜に名を連ねたにしぐーは、男気溢れる青木キャプテンの隣でプレーしていた9ヶ月前と比べて、めっきり大人っぽい表情になった気がします。
と、試合がまだ終わっていませんでした。西が丘を幻惑するようなパスとドリブルで絡めとった野洲のサッカーは、後半80分FKのチャンスをゲット。このキックを市船の21番・山田充が手で止めてしまい一発レッド。
今度はPKのチャンスとなった野洲、9番・上田くんがゴールイン!…と思ったらなぜだかやり直し。で、2回目…上田くん外してしまいました…ああ、ありがち(泣)
後半野洲のシュートは13本、それに対し4失点した市船も6本のシュートを放ちバーをたたいたりと惜しいシーンもあったのですが、結局縦横無尽に野洲が支配してしまったピッチをコントロールすることができず、後半0点で終了のホイッスルを聞くことになってしまいました。
5-1。
でもそれ以上のものを、見たような気がします。
―野洲のあのサッカーが、脈々とつながれ未来へと渡され続けているという希望を。
―そしてなによりも「サッカーってこんなに楽しいものなんだ」という単純な感動に満ちたピッチを。
だってね、本当に楽しい90分だったんだもの!

こうして高円宮グループリーグを首位で通過した野洲ですが、ラウンド16の作陽戦に延長の末1-2で破れ、舞台から去って行ってしまいました。
残すは「高校選手権出場のための滋賀県予選」。
作陽戦で同点弾をヘディングで決めた坂本一輝、そして2列目で攻撃をコントロールしゴールも狙う潮入啓太(↑水分補給中)、キレキレドリブルで賞賛の笑いを巻き起こす「野洲の7番」藤野友貴(↑なでしこジャパンに紛れてても違和感ない笑顔)、彼ら攻撃陣を中心ににしぐー@西口諒キャプテンがまとめあげる守備陣とのからみが、よりセクシー度を増して高校選手権の舞台に戻ってきてくれるよう、三上山に向かって念を送り続けたいと思います!
やっぱり…野洲、大好きだーーー☆
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9月15日(月)西が丘サッカー場 13:20キックオフ
野洲高校 5-1(1-1,4-0)市立船橋
[得点]18分:10番 中村充孝(市船)、51分:10番 坂本一輝(野洲)
60分:10番 坂本一輝(野洲)、63分:10番 坂本一輝(野洲)
67分:10番 坂本一輝(野洲)