ランラン☆カンカンのアンダーカバー大作戦

2009/08/08

2009クラセン準決勝[C大阪-京都/東京-新潟]虫ピンとセミ爆弾☆その1

準決勝の会場となる三ツ沢公園入口脇に立つ、大きな木。枝という枝に何百ものセミがいるのではないかと思うほど、こんもりとした葉っぱ全体が震えるような大音量の鳴き声をあげています。
ここ数日、どんよりと気温も低く冷たい風の吹いた関東地方。それでも「夏」本番です。

めざせクラブユース日本一!
…年末に行われるJリーグのユース日本一を決める「Jユースカップ」と違い、この「日本クラブユース選手権」は全国の街クラブサッカーチームとJクラブユースチームの中から、夏に一番強いチームを決めちゃおうぜ、と33年前から始まった大会です。
早い話「高校年代の日本一、高校部活抜き、汗増し増し」ってカンジ?

4月から始まった各地の予選を勝ち抜いたーー「関東クラブユース」でいえば、1〜3部リーグ合計38チーム中の上位9チームーー全国合計24チームが、7月25日「福島Jヴィレッジ」へと乗り込んでグループリーグ3試合を戦い、その結果、決勝ラウンドへと進んだのは
横浜FM-C大阪、京都-札幌、FC東京-湘南、川崎-新潟
という8チーム。
高円宮杯予選を兼ねたプリンスリーグで中国王子となった広島や、滝川第二の監督だった黒田和生さんが今年から現場で率いる神戸、関東王子で東京に次ぐ2位になり年代別代表候補も名を連ねる三菱養和など残念な敗退もあったけれど、ここ一番の集中と夏場の体力が問われるこの大会、地力のあるチームが顔を揃えました。

7月29日に行われた準々決勝を勝ち抜き、準決勝&決勝の舞台となる「横浜の三ツ沢球技場」までたどり着いた4チームは、セレッソ大阪-京都、東京-新潟。

そしていよいよ7月31日午後4時、涼しい風が吹き渡る曇天の下で「準決勝第1試合・セレッソ大阪 対 京都サンガ」キックオフです。

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ラン☆カンがこの試合ロックオン!していたのはセレッソ大阪のキャプテン、5番・扇原貴宏@U18日本代表候補と7番・ケンユウ@杉本健勇@U17日本代表候補、そして9番の永井龍@U18日本代表候補という、日の丸を背負ってくれそうな選手たち。

去年10月のU17ワールドカップ予選「U16アジア選手権」では全5戦にスタメン出場、出場権をもぎとる先制点もゲット!そして今年の1月メキシコで行われ、うさみん@宇佐美貴史が得点王に輝いた「コパ・チーバス」では1得点、FWだったりDFだったりとフレキシブルにポジションをこなすケンユウ、このクラセン準決勝ではCBからスタートです。

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「19センチ!」という圧倒的身長差をもってケンユウが押さえ込もうとしているのは、京都で一番目立っていた左SH33番・ヨシナリ@駒井善成。
セレッソの右最終ラインをがつがつとドリブルで突破してくる彼を止めようと、対峙していた1年生の2番・小池佑平を呼びつけ、ケンユウが身振り手振りで指示を出していたのですが…

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12分くらい我慢したところでとうとう小池くんを左へ移し、左・小池くん、キャプテン@扇原貴宏とケンユウのCB、そして右は6番・夛田凌輔という並びに変えてきました。

試合中ベンチからゴール裏から、さかんに「ヨシナリーーー!ヨシナリーーー!」と呼ばれまくっていた、チャンスメイカー・駒井善成。しまいには「ヨシナリーーー!!あ、違ったー!」
ちがうんかーい!
監督が思わず連呼したくなるほど、なんか「スイッチ入っちゃう」名前なんでしょうか…(笑)
そんな京都のちびっこい点火剤、168センチのヨシナリと、「同じ目の高さ」で勝負するのは169センチの夛田凌輔。
タダくんもケンユウと同じくU17日本代表候補。U16アジア選手権には出られなかったけれど、コパ・チーバスからアピールを始めています。

彼ら代表候補たちを守備へと押し込んでいるのは、京都のヨシナリ&武田有祐という両SHから前線へのチャレンジ。なかなか2トップへボールが収まらないセレッソは、30分すぎた辺りでついにケンユウをFWへと動かします。
積極的な指示出しや煽りでチームを活性化し、最終ラインの壁となり、ゴールキックの目印にもなり、さらには「点を取るため」最前線へ颯爽と上がって行く、お得感満載なケンユウ…
一家(チーム)に一台、欲しいかも(笑)今ならロングスローも付いてきます。

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幾度か迎えたチャンスを逃し、FKもクロスバーを叩いてしまった京都。効果的な攻撃を組み立てられず、ボールは常に中盤の頭上を越え、1本のシュートに終わったセレッソ。
きっと記録の上では京都のボール支配率が圧倒的なんだろうけど、自陣の深いところで横へ横へとボールを回している時間も長かった前半が終わり、両チーム無得点のまま迎えた後半。

セレッソは手つなぎ円陣で気持ちを合わせます。

そんなチームを熱く、そして冷静に鼓舞しつつコントロール、真夏の長袖姿がぐっとくるキャプテン@扇原貴宏。いちいち表情が男前です(笑)
っつーか後半、ケンユウも長袖に着替えてきたー!
キックオフ直後からたびたび辛そうな表情で腰に手を当て、隙あらば水を飲みまくっていたので、てっきり「暑くて」消耗しているのかと思ってたんだけど、違うんだ…。

ちなみにこの日は「曇り&絶え間ない涼風」の気温27度、湿度67%。三ツ沢の丘の上はスタンドにいる限り、絶好のサッカー日和です。

■セレッソ大阪U18■スタメン
GK1一森 純 91.07.02/181/72
DF2小池佑平 93.06.04/172/64
DF5扇原貴宏 91.10.05/184/70[C]※U18日本代表候補
DF7杉本健勇 92.11.18/187/78※U17日本代表候補
DF11道上隼人 91.06.17/167/59
MF4宮田大輔 91.06.07/175/70
MF6夛田凌輔 92.08.07/169/62※U17日本代表候補
MF細見 諒 91.07.12/166/61
 →HT:DF3成田雅治 93.08.01/172/64
MF14野口直人 92.06.07/168/64
FW9永井 龍 91.05.23/178/69※U18日本代表候補
FW15宮園貴大 92.05.16/166/64
 →33分:FW18坂口 豪
 →延長前半開始:FW20風間ワグネル ケンジ 93.11.05/176/68

■京都サンガU18■スタメン
GK1大西健太 91.04.29/178/69
DF3高橋祐治 93.04.11/184/73
DF5垣根拓也 91.10.03/147/69
DF15武田有祐 91.07.20/177/73
DF22国領一平 93.07.31/176/68
MF18井上寛太 91.04.12/172/68[C]
MF28山田俊毅 93.02.27/176/70
 →57分:MF4原川 力 93.08.18/175/68
MF33駒井善成 92.06.06/168/63
FW8山下嗣紋 92.04.07/171/64
FW9久保裕也 93.12.24/177/70
FW19伊藤優汰 92.09.18/172/66

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後半開始からメンバーを入れ替え、キャプテン@扇原貴宏を中盤に移動させたセレッソが、7分、いきなりチャンスをつかみます。それは…
京都GK大西健太から中盤の選手へのゴールキック。
その落ちかけを狙ってまんまとボール奪取したセレッソFW18坂口豪、ドリブルでペナルティエリア正面に持ち込んでシュート!ゴール!1-0!
あっという間のできごとに、ゴールを割られた大西健太、思わず舌出しで苦笑いです。

先制点をミスに近い形で奪われたのに、笑って仲間を鼓舞できるなんて、肝が据わったGKだな〜チームを信じてるんだな〜なんてちょっぴり京都に感心させられた4分後、インターセプトしたケンユウから左のリョウ@永井龍へ、さらにキャプテン@扇原貴宏につないで…と日本代表候補たちがたたみかけるようにゴール前へ侵入、最後はMF14野口直人がシュート!ゴール!
セレッソ2-0。
とにかく、点が入るたび熱烈歓迎状態でハグハグ抱き合う選手たち。何、この肉弾戦的友情(笑)

ところが。こんな心温まる光景も、2得点差も、なぜだか「勝利への確信」には結びつきません。
それほどまでにこの2チーム、力の差を感じないのです。

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セレッソ歓喜!のたった3分後、緩いパス交換からいきなりギアチェンジした京都が、あっという間にセレッソ最終ラインをぶち破ります。セレッソ、ファウル!
直前に投入されたばかりだったMF4原川力が放った、左コーナーの数メートル内側というペナルティエリア真横からのFKは、なんとそのままカーブを描き直接ゴールに吸い込まれて行きました。
2-1。

さらにその13分後、圧しつ戻りつだった両チームの均衡を破ったのは京都。ヨシナリ@駒井善成が突如仕掛けた高速ドリブルに対応できず、セレッソはペナルティエリア内で彼を倒してしまいます。PK!
これを沈めたのは京都キャプテン@井上寛太。
2-2。残り18分で試合は振り出しに戻りました。

前半こそ京都がボールを保持していたものの、後半に入ってからはリズムも、戦略も、チャンスメイクのタイミングすらまったくの互角。バランスを保ったまま、結局延長戦に突入するのですが、持っているタレントがそれぞれ違うはずの22人は、それでもまったく同じテンポーー緩も急もーーでボールを動かし続けることになります。

スタンドから見ると、それはまるでピッチに虫ピンを刺した様。
動かない足元から足元へと、ピンボールのようにただ転がり続けるボール。
突然ドリブルを試みて、最終ラインにひっかかって終わるチャンスメイカー。
個人技で放たれるシュート。でもそれがゴールネットを揺らすことはありません。

チャンスも不運も、きっと心拍数まで…まったくの互角。
そんな「あるレベルで両チームがシンクロしてしまい動かなくなる」ゲームが、たまにあります。
ついに試合の結果は「引き分けに優劣をつけるための」PK戦へとゆだねられることになりました。

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「……」
むむむ。セレッソベンチ前から異様なオーラが…
臍下丹田呼吸!?ヨガ!?
やがて…

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愛。

『今年のセレッソ大阪U-18は「愛」をベースに、サッカーを通して生きる「喜び」を体いっぱいに表現していくことをテーマにしています』@大会公式パンフレット
おかげさまで「愛」も「喜び」も、スタンドまでびっしびしと伝わっております。

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そして始まったPK戦、こちらも両チームが完璧なるシンクロニシティを構築してしまい、サドンデスへ。
6人目となる11番・道上隼人が枠の左へ逸らして…セレッソ、ミス!
呆然と引き上げてくる道上くんを、列から飛び出し駆け寄ったケンユウが慰めます。う〜ん「愛」だ。
対する京都も、これを沈めれば勝利を手にできた6人目が決められず、GK同士が蹴り合いっこをする11人目が終わり…とうとう2巡目に入りました。

セレッソ9番・永井龍、冷静にゴール。
そして京都8番・山下嗣紋の蹴ったボールは…「自分とみんなを信じていた。(最後のキッカーが)蹴る瞬間には、コースが分かっていた」というGK一森純が弾き返しました!

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adidas CUP 2009 第33回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会 準決勝 【41】
2009年7月31日16:00K.O.@ニッパツ三ツ沢球技場
セレッソ大阪U-18 2-2(0-0,2-2,0-0,0-0,PK戦10-9)京都サンガF.C. U-18
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[得点]
52分:18坂口 豪(C大阪)
56分:14野口直人(C大阪)
59分:4原川 力(京都)
72分:18井上寛太(京都)PK
[PK戦]
C大阪先攻  / 京都後攻
9永井 龍○ / 8山下嗣紋○
5扇原貴宏○ / 33駒井善成○
7杉本健勇○ / 5垣根拓也○
4宮田大輔× / 15武田有祐○
6夛田凌輔○ / 18井上寛太× 京都キャプテン痛恨のミス!
ここからサドンデス
11道上隼人× / 19伊藤優汰×
14野口直人○ / 4原川 力○
2小池佑平○ / 9久保裕也○
20風間Wケンジ○ / 3高橋祐治○
3成田雅治○ / 22国領一平○
1一森 純○ / 1大西健太○ GK同士の対決!
ここから2週目
9永井 龍○ / 8山下嗣紋×

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「さあっ!こい!!」
いや…別に空耳でも妄想でもなく、ケンユウは実際に諸手を広げ、こう叫んでたわけですよ…
そしてその胸に飛び込んで行ったのは、延長戦から登場の20番・風間ワグネル ケンジ。
ピッチのあちらこちらで、熱烈歓迎なハグハグが延々と続いていたセレッソ、確かに「愛と喜び」は具現化されてると思います(笑)そんな中でも、上背もあり華もある「情熱的」ケンユウとキャプテン@扇原くん、今後のさらなる弾けっぷりが期待できそう。

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負けてしまった京都のGK大西健太、そして5番・垣根拓也は、試合終了直後から不思議な笑みを湛え続けていました。
PK戦の5人目後攻、ここで決めれば京都勝利!という場面で満を持して登場…同点弾となるPKを決めたけれど、PK戦では失敗してしまった京都キャプテン@井上寛太が涙に暮れるところを、なぐさめ続けています。
自責の念にとらわれるキャプテンの肩を抱く彼らの笑顔は、「やりきった互角の勝負」に対して恥じるところがないからかもしれません。

3位の表彰式が終わり、自陣ゴール裏の挨拶へと向かう際、セレッソからの京都コールを受け、額を抱え深々と頭を下げる京都キャプテン@井上寛太とGK大西健太の姿は、とても印象的でした。

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薄暗くなってきた三ツ沢のピッチでがんがんに焚かれるフラッシュ。
明るく照らされるその瞬間だけ、保たれる笑顔。
未だ涙の止まらない選手も、カメラを見ない選手もいます。
後列右端でけっして笑わないのは、最後PKを止められてしまった8番・山下嗣紋。そのとなり頭が飛び抜けた3番は、184センチのDF高橋祐治。ケンユウがFWへ上がった時間帯には彼が密着マークに付き、結局無得点で終わらせました。

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中盤の印象がほとんど残らない、不思議なチーム・セレッソ。
虫ピンのようにピッチに固定された選手たちが、突然ギアチェンジしてゴールマウスへと迫って行くそのカタルシスが、決勝戦でも継承されるのでしょうか。
キーマンは、日本代表候補たち。期待できそうです。
****

長過ぎた…(汗)
いったん切って、クラセン準決勝第2試合「FC東京U-18 対 アルビレックス新潟ユース」戦レポに続きます☆

この2試合の「JFA TV」ダイジェスト映像もチェック☆
この記事へのコメント
かっこいい♪
Posted by にゃん at 2012年08月07日 08:14
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