ランラン☆カンカンのアンダーカバー大作戦

2006/12/27

サハラカップ決勝☆広島と東京が辿り着いた天国と地獄【写真レポ】

「勝ったら天国。負けたら地獄。」広島のキャプテンにこう言い切らせた、日本一のクラブユースを決める大会「サハラカップ」の決勝戦。

天国でも地獄でも行き先が決まった瞬間、チームがバラバラになってしまうことに変わりはありません。

全国から集まり3年間山の中の同じ高校、同じ寮の飯を食べながらプレーしてきた「サンフレッチェ広島ユース」。
住むところも学校も違うけど、チャリや電車で下町の練習場にひたすら通い詰め一緒に練習してきた「FC東京U18」。
環境も境遇もまったく正反対な両チームが迎えた2006年のクリスマスイブ、天国へ昇りつめたのは…

----------------------
Jユースサハラカップ2006決勝戦
12月24日(日)13:00K.O. @神戸ユニバ(観衆2660人)
【サンフレッチェ広島ユース 2-0(0-0,2-0) FC東京U18】

得点:81分 保手濱直樹(広島)
   87分 中野裕太(広島)

退場:89分 吉本一謙(2枚目の警告)
----------------------

試合のダイジェスト動画はこちら

061223_402.jpg

ちょっと緊張気味なサンフレッチェ広島ユース・スタメン
GK16兼田亜季重[2]
DF5佐藤 拓[2]/13篠原 聖[2]
 3野田明弘[3]/6遊佐克美[3](C)★●
MF8藤澤典隆[3]/23岡本知剛[1]☆
 7保手濱直樹[3]→84分:MF19内田健太[2]
FW11横竹 翔[2]/10平繁龍一[3]★◎●
 9中野裕太[2]→89分:FW34不老祐介[1]

スタベン
GK21原祐太郎[1]☆
DF4田中 尚[3]/12山根祐介[2]
MF14松田直也[3]/15金田浩明[2]/19内田健太[2]
FW34不老祐介[1]

☆→U17日本代表 ★→トップ昇格 ●→U18日本代表(仙台カップ) ◎→U19日本代表(SBS)
----------------------

061223_399.jpg

笑顔とプレッシャーが交錯するFC東京U18・スタメン
GK1権田修一[3]★
DF5恩田亮輔[3]/14櫻井誠也[3]
 4吉本一謙[3]★/2椋原健太[2]
MF31山浦公裕[1]☆→89分:15宮阪政樹[3]
 10中野遼太郎(C)[3]●
 39山村佑樹[1]→77分:22岡田翔平[2]
 11井澤 惇[2]→55分:13城間由太[3]
 6森村昂太[3]★●
FW38 岩渕良太[1]→56分:7大竹洋平[2]→88分:18金森洋充[3]

スタベン
GK21廣永遼太郎[1]☆
MF7大竹洋平[2]/13城間由太[3]
 36藤原広太郎[1]/15宮阪政樹[3]
FW18金森洋充[3]/22岡田翔平[2]

☆→U17日本代表 ●→U18日本代表(仙台カップ) ★→トップ昇格

39番・山村くんのポーズ…それってラグビー?(笑)
----------------------

061223_421.jpg

この円陣を解いてもピッチの中でつながっていられるか…

061223_409.jpg

眉根に力のこもる「子熊」たちとは対照的に、笑顔で気持ちをつなぐ「瓦斯」っ子たち。
泣いても笑っても、この円陣を組むのはあと1回。


攻撃に勝る広島、守備が強固な東京。広島は3トップの横竹くん・中野くんそしてヒラシゲ@平繁が序盤から猛烈な勢いで回転を始めました。この決勝戦まで予選リーグを含めて「失点1」という東京は、そんな波状攻撃をCB吉本くん・櫻井くんが中心となって跳ね返し続けます。防戦一方となった東京が盛り返すのは15分以上経過してから。U17日本代表の山浦くんが森村くんのくさびからシュート。ところがこの日の広島は、東京のキーマン・森村くんへのケアが徹底していました。

森村くんが高い位置でボールを持つと、広島の選手たちがあっという間に囲みに入ります。パスを出そうにも東京の両サイドハーフは森村くんをカバーしようとしてか中に絞ったままで、ワイドに展開することができません。
「1週間ビデオを見て、森村くんを研究しました」と言う広島の選手たち。「落とし所も受けるところも全部狙われていた。見事に嵌められました」と言う森村くん。

そして「嵌められた!」と思ったのは森村くんだけではないはず。中盤での競り合いも、ことごとく広島が勝利して東京はボールをキープすることが難しくなっていました。そして広島は奪ったボールを左サイドで待ち受けるヒラシゲへ。

今年の夏、静岡でおこなわれたSBSにU19日本代表として参加していたヒラシゲは、とってもとってもアイデアとスピードのある選手でラン☆カンたちをワクワクさせてくれたのに、その後U18の仙台カップ、高円宮杯そしてサハラ準々決勝と、見かけるごとになぜだかどんどん大人しくなっちゃってて、もの足りなかったんですが…この決勝戦では「キュンキュン」なヒラシゲが蘇っていました。いったん彼がボールを足に収めたら最後、東京はボールを奪うことができないどころか、確実にシュートチャンスまで持っていかれてしまいます。

そしてチャンスと見るや猛烈な勢いで前線に上がってくる、U17日本代表@ラン☆カンイチ押しのボランチ@岡本くんも、東京の守備陣にとってはやっかいな存在。
それでも広島の攻撃リズムに慣れてきた東京が徐々に押し戻し、右SH・山浦くん、左SB・おんちゃん@恩田くんが両サイドを上がってチャンスを作れるようになったきたところで、あっという間の前半45分が終了…本当にこの2チーム、引くことを知らず殴り合いの応酬です(汗)

061223_426.jpg061223_429.jpg

引き上げてくる間、ずっと佐藤くんにお説教を続けるキャプテンゆさゆさ@遊佐(笑)片や東京では、5番のおんちゃん@恩田くんが福井監督に密着マークされて泣きそうです…何を怒られたんだ!?

「もっと周りを見ろ!」
ロッカールームで監督に激をとばされた東京の森村くん。「目が覚めました。自分が、自分がとなってしまっていました。」
ハーフタイム明けから、今までの自分たちを取り戻した東京の攻撃陣。56分にはタメが作れる大竹くんを投入して「守備が弱い」と言われた広島に攻め込みます。が、森村くんのシュートは強烈な金属音と共に、バーを直撃!

一方強力と言われた広島FW陣は、体を張ってくる東京のDFに手を焼くものの、スピードでは圧勝。若干広島有利ながらも、一進一退の攻防が続いて「もしかすると延長かも…」なんて思い始めた80分…

東京のエース6番・森村昂太がカウンターから一気にゴールへ。左足から放たれたボールは…ポスト直撃!!!

「あれを見たとき、ウチが負けることはない、と確信した」…ゴリさん@広島ユース監督が言うように、本当に勝負の綾ってこういうところに出るものなのかなあ…
「あの瞬間、僕が頭を抱えてしまっていたら前に蹴られて…あの時、頭を抱えていなかったら…」
森村くんのこの後悔はチームみんなの後悔でもあったのかも。すぐにリスタートされたボールはあっと言う間に広島の前線・中野くんへ。中野くんが打ったシュートは東京のDFが弾いてペナルティエリア内で上空へ舞い上がり、東京のGKごんちゃん@権田くんがキャッチしようと前へ出てきます。

「僕は追うのをあきらめていた」ゆるゆると走ることを止めようとしたヒラシゲ。
誰もがごんちゃんの腕の中にボールが収まるものと信じていたはずの瞬間。
「気付いたら倒れてて肩が痛くて…」
止まっていた時間を動かしたのは、広島の7番・ホテ@保手濱くんでした。一人切り裂くようにボールを追っていたホテは、ごんちゃんと激突。こぼれたボールを冷静に無人のゴールマウスへと押し込んだのです。

ゴール・イン!瞬間、ピッチ内は騒然としました。ベンチの選手たちもタッチラインぎりぎりまで飛び出して、抱き合って喜ぶ広島。
激突されて倒れたまま、痛みに足をばたつかせるごんちゃん@権田くん。審判に猛抗議する東京の選手たち。
微妙と言えば微妙な判定…スクリーンに何度もリプレイが映し出されます。

もちろん覆りようのない判定に、東京の選手たちはごんちゃんの治療時間を利用してなんとか気持ちを落ち着かせようとしたはずですが…
「今まで無失点で来ていたので、その焦りが出てしまったかもしれないです。」
森村くんがふり返るように、CBの吉本くんを最前線に上げたパワープレーは結局流れを引き戻すどころか、相手のカウンターを呼び込んでしまいました。
広島自陣深くから出たロングボールにヒラシゲが反応。そのまま東京の最終ラインをぶっちぎって中野くんへラストパス。87分、ダメ押しの2点目を中野くんが東京のゴールへ蹴り込んで、2-0!

東京は2人の3年生を投入するものの、張りつめていた気持ちが空回りにつながります。
ロスタイム。トップ昇格が決まっているCBの吉本くんが敵陣右サイドタッチライン際「普段なら行かないようなところで行った」というスライディングタックル。そして2枚目のイエロー…
脱いだユニフォームを投げつけ、泣きながら引き上げていってしまいます。
「チームのユニフォームを投げるなんてありえないですよね。後悔しています。サポーターの人にも申し訳ないことをしてしまった。」

そして、終了のホイッスル。2006年の最後、「日本のクラブユースの頂上」に立ったのは「サンフレッチェ広島ユース」でした。


↑クリックで拡大☆
整列、スタンドへ挨拶、お互いに握手…という試合後の儀式の間中、両チームともごうごう泣きっぱなし。もうどっちが優勝したんだかわからないくらい(笑)ほぼ全員が必死で泣いてました。
そして東京ベンチへ挨拶にやってきた子熊たち。左端で頭を下げたまままだ泣きじゃくってるのはヒラシゲ…もう一度念をおしておきますが、彼らは「優勝チーム」です!(笑)

061223_559.jpg

表彰式にはベンチ入りした全員が参加するため、退場処分となった吉本くんも有馬コーチにうながされ投げ捨てたユニフォームに顔をうずめて、ピッチへ戻ってきました。

061223_580.jpg

前後不覚なままとりあえず歩いている吉本くんのもとへ、ベンチコートをコーチから託されたごんちゃん@権田くんと、おんちゃん@恩田くんが支えにやって来ます…が、そのおんちゃん自身がすでに涙でぐちゃぐちゃ状態。
結局最後の最後まで、号泣を続ける二人の涙が涸れることはありませんでした…


061223_660.jpg

気を取り直して。表彰式には、冠スポンサーのタイガー魔法瓶からマスコットが参加☆女の子の方が大きく見えるのは、目の錯覚です…たぶん(笑)
この決勝戦はハーフタイム抽選会で、ボールやピンバッヂや「タイガー炊飯器」「ステンレスボトル」などなど豪華商品の大盤振る舞い!ううう…ラン☆カン、ステンレスボトル「サハラ」当てたかったよーーーう(悔)

表彰式のダイジェスト動画はこちら



ビミョーな表彰式…もらって嬉しくない準優勝の銀メダルやカップ。プレゼンターのおじさまがたにも笑顔がありません。
左は、トップ昇格の決まっている森村昂太、右はキャプテンで早稲田に進学する中野遼太郎。

061223_761.jpg

061223_772.jpg 061223_783.jpg

一転して晴れやかな「勝者を称える」表彰式。喜びの号泣が止まった子熊たちは、それでもまだ実感が湧かないのかちょっぴりもじもじ…が、ラン☆カンおすすめの1年生・岡本くんだけ、場の流れに余裕のリアクション。上の写真、左から3番目で爆笑しながら手をたたいている大物っぷりは、試合後の妙に腹の座ったインタビューでもうかがいしれます(笑)
左下は2年生FWの横竹翔。右下はトップ昇格するキャプテンのゆさゆさ@遊佐克美。

061223_825.jpg

しむらーーーー逆!逆!(爆)「勝優」ってなにーー(笑)

061223_455.jpg

両チームの応援スタンドには、ベンチ入りできなかった選手たちの姿が。
サンタ帽にユニフォーム着用で、3年間一緒に「東京U18」で頑張ってきた仲間を声をからして支え続けた90分。しっかし、トップチームのチャント♪オレオラ 東京が好き 女よりも仕事よりも 東京♪をそのまま君たちが歌うのはいかがなものか!(笑)

一方、なんだかトラックにいる広島の選手たちがやたらとスタンドを見て大盛り上がりしていると思ったら…柏木王子とマッキー@槙野が来てたーーーー!!!ぎゃーーー…気がつかなかったあ(泣)
柏木王子は大量の菓子パンを「サンタさんの袋(嘘)」につめて持参。スタンドから投げ入れてたらしいです…(笑)

ちなみにこの日の神戸ユニバには、東京の社長以下フロント&トップのコーチ陣、そして広島ユースの先輩たち…マエシュン@前田俊介、クワシン@桑田慎一郎とかとか、そしてソリさん@反町五輪代表監督の姿まであったとか。なんで匂いを嗅ぎ取れないかな…自分(泣)マエシュンとクワシンを見かけたかったよぅ…もちろん王子とマッキーも…くすん。

061223_831.jpg

「天国」へと昇りつめた広島。そして…負けてしまった彼らの気持ちはどうなんだろう…
応援してくれたチームの仲間たち、家族、そしてサポーターに挨拶にやってきた東京のメンバー。左端には涙は止まらないものの、なんとか顔を上げることができるようになった吉本くんの姿が。そして彼にずっと付き添っていたおんちゃん@恩田くんは、右から2番目で、誰よりも誰よりも嗚咽を上げ続けていました…彼にとっては、やっぱり「地獄」なのかな…

061223_847.jpg

大破顔のキャプテンゆさゆさ@遊佐くんとゴリさん@広島監督。U18日本代表として参加してフランスやブラジルにちんちんにやられた仙台カップ、そして準々決勝で滝川第二に負けて、歩けなくなるほど号泣した高円宮杯…ゆさゆさのこんな笑顔をシーズン最後にやっと見ることができました。


↑クリックで拡大☆
隙あらば何度でも勝ちどきをあげてしまう子熊たち(笑)「こんなに負けたことはなかった」と監督がふりかえるくらい勝てなかった今年の広島ユース。でもだからこそ「こんなに苦しかったことも、こんなにうれしかったこともない」くらいの優勝になりました!


↑クリックで拡大☆
広島名物でっかいしゃもじも登場!試合終了後から今の今まで、泣く以外なぜだかあまり感情を表に出さなかったヒラシゲ、やっとくしゃくしゃの笑顔でガッツポーズ(笑)

061223_940.jpg
061223_941.jpg

いや〜たぶん、ものすごい数のキスマークとものすごい数の間接キスの舞台となったであろう優勝カップ!(爆)
後ろで青いピステを来て大口空けて笑ってるのは、U17日本代表GKの原祐太郎。U17の正GKで同じくベンチ入りしていた東京の廣永遼太郎と、試合前には談笑してました。
それにしても、本当にヒラシゲがうれしそう…♪

「今日で3年生がこのチームで最後になる。昨日の夜のミーティングでは出られない3年生が泣いて優勝への思いを語っていた。これは勝たないとダメだと思いました。」
2点目をとった広島の2年生FW中野裕太は、試合後にこうコメントしました。そして1年生の岡本知剛はこう言っています。
「皆の気持ちを背負って自分がフィールドに立っているので、やるしかない、という気持ちでした。自分の力を出し切ることができました」

先輩のために、お互いのために…「仲間のために」という気持ちが、東京をちょっとでも上回ったんでしょうか…

「負けは負けです。最後は勝って終わりたかった。これが終わったら、みんながバラバラになってしまうから…。」最後まで涙が止まらなかった吉本くん。
「悔しいです。これで最後ですから。取り返しようがない。」決勝戦で初めて2失点もしてしまった権田くん。

終了のホイッスル後、両チームのリアクションはまったくの別次元で起こっている、まったく別の物語のようでした。まさにゆさゆさ@遊佐くんがコメントしたように「勝ったら天国。負けたら地獄。」
でも、互角の戦いからお互いが異次元へと滑り込むその入口は、本当に一瞬口を開けただけにすぎなかったように思います。
この決勝戦は、ぎりぎりまでスタジアム中の選手たちが「お互いをつなぎ合う気持ち」を手放さなかった、そんな戦いでした。

061223_608.jpg

つなぎあっていたはずの「仲間への気持ち」。
たとえそれが「勝利」という天国へ導いてくれなくても、きっとこの3年間で彼らはもっともっと大切なものを手に入れたんじゃないかと思います。

自分だって嗚咽がとまらないほど泣きじゃくってるのに、それでも仲間をなぐさめようとする姿。
そして絶対「彼」にしか発することのできない「言葉」がそこにはあるはず。

そんな仲間を得た彼らにちょっぴり嫉妬しながらも、彼らがもたらしてくれた「つながり続けようとする純粋な欲求に覆われた空間」に立ち会えたことを、感謝したいです。

サハラカップに参加したすべてのチームのみなさん!ありがとうございました☆

最後にあらためて。サンフレッチェ広島ユース、優勝おめでとうございますーーー!


Jユースサハラカップ2006の全インタビュー&試合動画はこちら→

+++++
コメントをくださっている方々、本当に本当にありがとうございます☆
「お返事します」とかだいぶん前に言ったくせに、つい優しいお言葉に甘えていて…申し訳ありません。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:


コメント:


 

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/30394042
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。